お風呂のカビを簡単に落とす方法と予防法まで解説
お風呂は湿気などでカビが発生しやすい場所です。正しいお掃除方法を理解して、カビが増える前にお掃除する必要があります。
この記事ではお風呂に発生するカビの原因や種類、適した洗剤やお掃除方法、カビの発生を予防する方法をご紹介します。
カビが発生する条件
カビが発生する条件は以下の4つです。
- 酸素がある
- 温度が20〜40℃
- 湿度が70%以上
- 栄養がある
この4つの条件が揃っている場所では、カビがどんどんと繁殖してしまいます。
お風呂以外の場所でも、梅雨の時期になるとこの条件が揃いやすくなりますが、お風呂は季節に関係なく温度や湿度の条件が揃いやすい、カビにとっての栄養が多くなりがちな場所です。
カビは汚れや食べ物のカスをエサとして繁殖します。
この4つの条件をできるだけ揃わないようにすることが、カビを発生させないためには重要です。
しかし私たちが生活している場所には酸素があり、酸素をなくすことはできません。
酸素以外の温度や湿度、栄養に関しては、工夫をすることによって抑えられるため、カビの発生を防ぐことは可能です。
お風呂にカビが発生する原因
家の中でも特にお風呂にカビが発生しやすいのはどうしてなのでしょうか。
ここではカビが繁殖する原因を解説します。
1. 高温多湿になりやすい
浴室は浴槽にお湯を張り、シャワーを使うため高温多湿になりやすい環境です。
38〜42℃前後のお湯を使う浴室は人間にとっても過ごしやすい環境ですが、カビが発生しやすくなる温度である20〜30℃前後になりやすく、カビにとっても適温になります。
またお湯を使うことで湿気も多くなるため、カビが好む高温多湿の環境になってしまうのです。
2. シャワーヘッドやシャンプーボトルなどに水滴が残る
浴室内にはさまざまなものがあり、お風呂を使った後はそれらに水滴が残ってしまいます。
シャワーヘッドやホースにも水滴が残りますし、シャンプーやボディソープなどのボトル、体を洗うタオルやスポンジの水分も完全に取り除くことはできません。
また壁や床にも水滴は残ってしまいます。
窓を開けて換気扇を回してもすぐに水分がなくなることはないため、入浴後であってもしばらくの間は湿気の多い環境になってしまうのです。
3. 石鹸カスや皮脂などの栄養がある
カビは汚れを栄養として繁殖します。
体や髪の毛を洗う浴室には、シャンプーやボディソープの石鹸カス、私たちの体から出る皮脂が残りやすく、それを栄養にしてカビは繁殖してしまうのです。
お風呂の床に残った石鹸カスや皮脂の大半はシャワーで自然に流れますが、隅や小さな溝には残っている可能性が高いです。
また石鹸カスや皮脂は、想像以上に壁へ飛び散っています。壁についた汚れは意識的に洗わなければずっと付着したままなので、カビのエサとなってしまいます。
髪の毛もカビの栄養になるため、排水口のお掃除をしていないと、そこからカビがどんどん増殖していきます。
お風呂に発生するカビの種類
お風呂に発生するカビの種類は大きく分けて3つです。
どのような特徴を持ったカビなのか理解しておきましょう。
1. 黒カビ
お風呂に発生するポツポツした黒い点は黒カビと分類されるカビです。
黒カビにもたくさんの種類がありますが、お風呂に発生しやすい黒カビは、クラドスポリウムという種類です。
このクラドスポリウムも170以上の種類があるといわれています。
私たちが生活している場所に共存しているカビ菌で、空気中にあるカビ胞子の2〜5割はクラドスポリウムだといわれているほど身近なカビです。
お風呂などの水回りに発生しますが、食品やクーラーなどの家電製品にも発生することがあります。
またクラドスポリウム以外にもフォーマ、ススカビ、コウジカビなども黒く見えるカビです。
黒カビはゴムパッキンやタイルの目地、床の隅などに発生しやすく、空気中に胞子がたくさんあるカビなので、条件さえ揃ってしまえばすぐに増殖します。
また、健康被害を引き起こす可能性のあるカビなので、発生する前、または発生したらできるだけ早めに対処を行うことが大切です。
2. 赤カビ
お風呂や水回りに発生するピンク色のぬめりは赤カビと呼ばれますが、実はピンク色のぬめりはカビの一種ではありません。
正確にはロドトルラと呼ばれる酵母菌ですが、一般的に赤カビと呼ばれています。
赤カビは非常に繁殖力が高く、一度発生すると床の溝や隅をすぐにピンク色に染めてしまいます。
また、シャンプーやボディソープのボトルの底など、水分が溜まりやすい場所にも発生しやすいです。
赤カビは繁殖スピードが他のカビに比べてもかなり速いので、放置しているとどんどん広がってしまいます。
ぬるぬるしていてお掃除をするのが気持ち悪いと感じる方もいるかもしれませんが、落とすのが大変なカビではないため、見つけたらできるだけ早くお掃除するのがポイントです。
3. 青カビ
青カビは基本的には食品や衣類に発生する確率が高いカビです。
お風呂で頻繁に見かけるカビではありませんが、アースリニウムやペニシリウムといった種類のカビが床や壁に発生することがあります。
浴室に発生する汚れで、青カビと間違われやすいものに銅石鹸という汚れがあります。
これは蛇口や配水管、給湯器などに発生しやすい青筋のような汚れです。
石鹸カスや湯アカと銅イオンが反応することで発生する化合物で、一見すると青カビのように見えますが全く違うものですので、お掃除をするときは間違えないようにしましょう。
銅石鹸の場合はクエン酸を使ってこするとキレイになります。
カビの種類ごとに使った方がいい洗剤とお掃除方法
カビといっても種類が違えば効果が出やすい洗剤が異なり、お掃除方法も異なります。
カビのない清潔なお風呂にするためにも、カビの種類に合わせたお掃除方法を把握しておきましょう。
黒カビ
黒カビのお掃除に適した洗剤は、塩素系漂白剤か酸素系漂白剤です。
塩素系漂白剤はかなり高い殺菌力があり、頑固な黒カビに適しています。
洗濯用や台所用の漂白剤と主な成分は同じですが、浴室用の塩素系漂白剤はお風呂のカビ取りに適した添加物を配合しているので、お風呂のカビ取りには浴室用の塩素系漂白剤を使用しましょう。
塩素系漂白剤は効果が出やすい反面、かなり強力で使用する際には十分に注意する必要があります。
使用する際はしっかりとゴム手袋をつけて、換気をした上でマスクをするなどして、取り扱いには気をつけましょう。
小さなお子さんやペットがいるご家庭は特に気をつけてください。
また塩素系の漂白剤は酸性の洗浄剤と混ぜてしまうと、有毒なガスが出る可能性があり大変危険なため、絶対に混ぜないようにしましょう。
酸素系漂白剤も殺菌力がある洗剤で、塩素系漂白剤と比べると効果は緩やかですが、根を張っていないカビのお掃除に向いています。
酸性洗剤と一緒に使ってもガスが出ることがありませんし、注意は必要ですがお子さんやペットがいるご家庭でも使用しやすいのが特徴です。
塩素系漂白剤を使った黒カビのお掃除方法
浴室用の塩素系漂白剤はスプレータイプやジェルタイプが主流です。
より黒カビに密着して、食い込んだ黒カビも落としやすいのはジェルタイプになります。
どちらを使用する場合も、以下のものを用意しておきましょう。
- 塩素系漂白剤
- ラップ
- ゴム手袋
- マスク
- スポンジ
- 歯ブラシ
まず浴室の換気扇を回し、窓があれば開けてしっかり換気します。
できればお掃除をする前日から乾燥させて、浴室内の水分をできるだけなくしておきましょう。
ゴム手袋やマスクをつけたら、黒カビが気になる箇所に塩素系漂白剤をつけ、その箇所をラップで覆っていきます。
ぴったりと密着させて、空気が入らないようにするのがポイントです。
そのまま2〜3時間程度放置します。
時間が経ったらラップを外し、水で塩素系漂白剤を洗い流してください。
まだ汚れが気になる箇所があれば、ブラシやスポンジで汚れをかき出します。
黒カビが残ってしまっている部分はかなり根深く繁殖している可能性がありますから、もう一度同じ工程を繰り返してお掃除してみましょう。
酸素系漂白剤を使った黒カビのお掃除方法
酸素系漂白剤は一般的に粉末タイプなので、お掃除をするときは工夫が必要です。
スプレーとして使うときはスプレーボトルにぬるま湯を入れて溶かします。
パッキンや目地のカビ取りに使用するときはぬるま湯を少量と片栗粉を少量混ぜることでペースト状になるので試してみてください。
お掃除に必要なアイテムは以下のとおりです。
- 酸素系漂白剤
- スプレーボトル(スプレータイプにする場合)
- 片栗粉(ペーストにする場合)
- ラップ
- ゴム手袋
- マスク
- スポンジ
- 歯ブラシ
スプレータイプかペースト状にした酸素系漂白剤を用意します。
クエン酸の場合は、スプレーボトルに水100mlとクエン酸小さじ1/2杯を混ぜてください。重曹の場合は、スプレーボトルに水100mlに小さじ1の重曹を混ぜてください。
後はラップで密閉した状態で数時間から半日程度放置しましょう。
酸素系漂白剤は塩素系漂白剤より効果が穏やかなので、長めに放置しておくことがポイントです。
時間が経ったら酸素系漂白剤を水でしっかり洗い流します。
ペーストにした場合は落ちづらくなっていることがあるので、スポンジやブラシでこすりながら落としていきましょう。
赤カビ
赤カビを落とすときにオススメの洗剤は、重曹です。
重曹は弱アルカリ性の洗剤で、研磨効果があるので、乾燥してこびりついてしまった赤カビを取り除くのに最適な洗剤です。
重曹を使った赤カビのお掃除方法
重曹を使って赤カビをお掃除するときは、以下のアイテムを用意しておきましょう。
- 重曹
- スポンジ
- 歯ブラシ
- ゴム手袋
まず赤カビが発生している部分に、やけどに注意しながら50〜60℃程度のお湯を軽くかけ流し、その上から重曹を振りかけて、2〜3分程度放置します。
時間が経ったらスポンジや歯ブラシで磨きましょう。
重曹に研磨効果があるので、強くこする必要はありません。
後は重曹を洗い流せばお掃除完了です。
青カビ
あまりお風呂に発生することがない青カビですが、発生した場合は塩素系漂白剤を使用します。お掃除の仕方は先ほど紹介した黒カビのお掃除方法と同じです。
お風呂のカビの予防方法
お風呂のカビをキレイに落としたら、また発生しないように予防しておきましょう。
浴室はカビが発生しやすい場所ですから、日頃から意識しておくことが非常に大切です。
ここからは予防方法を紹介しますので、試してみてください。
1. 常に換気をしておく
浴室内は湿気がこもりやすい場所です。
できるだけ常に換気を行い、浴室内に湿気が溜まらないようにしましょう。
浴室に水滴が残っている状態なら、換気扇を回したり、窓をこまめに開けるようにしてください。
2. 定期的にお掃除をする
お風呂はほぼ毎日使用する場所です。
お風呂を使用すれば、石鹸カスも皮脂も壁や床に飛び散ってしまいます。
一見キレイに見えても、石鹸カスや皮脂が残っている可能性があるので、定期的にお掃除をしてカビの栄養となるものがない状態にしておきましょう。
3. カビを防ぐ燻煙材を使用する
カビを除菌する成分を浴室全体に行き渡らせることができるのが、燻煙材です。
煙が天井や床の隅、お掃除できないような細かいところにまで殺菌成分を届けてくれるので、カビの発生を抑えることができます。
2カ月に1回程度燻煙材を使用しておけば、カビの繁殖を予防できます。
燻煙材はコーティング材ではないので、使用した後も普段どおりにお風呂が使えます。
ただし、使用直後は浴室内に煙が残っているので、製品の使用指示にしたがってしっかり換気をするようにしましょう。
まとめ:カビの種類によって洗剤と掃除方法を使い分けよう
お風呂は湿気などでカビが発生しやすい場所なので、換気や定期的な掃除が必要になります。
カビの種類によって効果が出やすい洗剤が異なるため、お掃除方法も異なります。カビのない清潔なお風呂にするためにも、カビの種類に合わせたお掃除をしていきましょう。
三菱電機のプロによる浴室クリーニングがおすすめ!
- カビや水アカ、ヌメリなど汚れが落としにくい浴室のクリーニングをプロにお任せできます。
- ご自身ではなかなか落とせない、手の届きにくい・掃除がしにくい箇所の汚れを専用の洗剤と道具でキレイにします。
※サービス提供エリアに限ります。サービス詳細は下記リンクをご参照ください。
-
この記事を書いた人
くらトク編集担当