エアコン掃除で洗浄スプレーを使ってはいけない!オススメできない理由とエアコン内部を掃除する方法をご紹介

エアコン洗浄スプレーは、洗浄液を吹き付けることでエアコン内部の熱交換器(フィン)などをお掃除できる商品として市販されています。エアコンクリーニングなどに比べると安価で、フィルターを外して熱交換器に吹きかけるだけなので、簡単で便利な印象がありますが、実はさまざまなリスクがあり、メーカーとしては使用を推奨していません。
本記事では、エアコン洗浄スプレーの主な種類や、エアコン洗浄スプレーの使用を控えるべき理由をご紹介します。
エアコン洗浄スプレーの種類
エアコン洗浄スプレーは、熱交換器(フィン)の洗浄を目的としたタイプが多いですが、お掃除する場所によって大きく3種類あります。
熱交換器(フィン)用洗浄スプレー
1つ目は、エアコンのフィルターの奥にある熱交換器を洗浄するための洗浄スプレーです。
熱交換器は、エアコン内部に吸い込んだ空気をアルミ板同士の隙間を通して暖めたり冷たくしたりする役割を担っており、冷房使用時には結露が付着します。
そのため、フィルターで取り切れなかった細かいゴミやホコリが蓄積しやすいだけでなく、カビも繁殖しやすい部品です。エアコンを長期間お手入れせずにいると、エアコンの風と一緒に室内へカビを放出してしまう可能性があります。カビ特有の嫌なニオイの原因にもなります。
熱交換器そのものは容易に視認できますが、アルミ板の間が狭くて掃除がしにくいことや簡単に取り外しができないことから、洗浄スプレーを使用して細かい部分を洗浄しようとする方が多いようです。
ファン用洗浄スプレー
ファン用洗浄スプレーは、エアコンの吹出し口の奥にあるファンの洗浄を目的としたスプレーです。
エアコンはファンの回転によって空気を循環させるため、フィルターで取り切れなかったホコリなどが徐々にファンに蓄積していきます。ファンが汚れているとエアコンの風と一緒にゴミやホコリが空気中に舞ったり 、嫌なニオイが室内に流れ出たりする原因となります。
エアコンのファンは、エアコンを分解しないと手が届きにくいところにあるため、細いストローを装着して洗浄液を熱交換器の奥まで噴射するファン用洗浄スプレーがあるようです。
フィルター用洗浄スプレー
フィルター用洗浄スプレーは、エアコンフィルターをお掃除する際に使用するスプレーです。
エアコンフィルターは、室内から空気を取り込む際、さらに奥にある熱交換器やファンにできるだけホコリやゴミ、チリなどが入り込まないよう事前にキャッチする役割を担っています。そのためゴミやホコリ、チリが付着しやすく、フィルターの自動お掃除機能が搭載されていないエアコンでは、定期的にお手入れをしないとすぐに汚れが溜まってしまうパーツです。フィルターの汚れを放置すると、目詰まりして風量が落ち、エアコンの冷暖房が効きにくくなったり、消費電力が上がったりする原因になります。
エアコンフィルターはファンや熱交換器とは異なり、自分で手軽に取り外すことができ、水洗いも可能です。通常のお手入れでは、掃除機などでゴミやホコリ、チリを取り除いた後、スポンジなどを使って優しくこすり洗いし、流水ですすぎます。その後、風通しの良い日陰でよく乾かせばフィルターのお手入れは完了です。
フィルター用洗浄スプレーは、フィルター全体に洗浄液を吹き付けた後、しばらく放置すると汚れを浮かせる効果があり、こすり洗いの手間を省くことが可能です。フィルターはデリケートで、少しでも力を入れすぎると破けるリスクがあるため、こすり洗いの負荷を軽減する目的があります。
エアコン掃除で洗浄スプレーの使用を控えたほうが良い理由は?
ここまでエアコン掃除用の洗浄スプレーの種類や特徴を紹介してきましたが、エアコンメーカーの多くはエアコン洗浄スプレーの使用を推奨していません。なぜエアコン洗浄スプレーの使用が推奨されていないのか、その理由は大きく分けて3つあります。
1. 故障・発煙・発火のリスクがある
エアコンは電気製品のため、取り扱いには注意が必要です。特に、エアコン内部の洗浄には高い専門知識が必要です。万が一、誤った洗浄方法で洗浄し、内部の電気部品などに影響が起きると、電気部品の故障の原因になるだけでなく、最悪の場合、発煙や発火に繋がるリスクがあり、大変危険です。
2. 水漏れのリスクがある
エアコンは暖かい空気を冷たくしたり、冷たい空気を暖かくしたりする構造のため、内部に結露が発生しやすく、内部で発生した結露はホース(ドレンホース)を通じて屋外に排出する仕組みになっています。
ところが、エアコン洗浄スプレーを使用した際、エアコン内部のホコリやゴミが一度に流れてドレンホースに詰まってしまう場合があり、その後の結露の排水がうまくいかずに水漏れが起こる可能性があります。
3. コーティングや素材を傷めるリスクがある
エアコンには、カビなどが繁殖しにくいように抗菌加工やコーティングが施されたパーツが搭載されている機種もありますが、洗浄スプレーの効果や誤った洗浄方法によって、コーティングの機能が低下したり、素材を傷めてしまったりする可能性があります。
以上の理由から、メーカーとしても、市販品の影響をすべて確認することはできないため、使用を推奨しておりません。
また、一般的に以下の2点もエアコン洗浄スプレーのデメリットとして挙げられます。
4. 隅々までキレイに掃除できない
エアコン洗浄スプレーは掃除がしにくい内部まで洗浄できるところが利点ですが、あくまでエアコンを分解せずに使用することを前提にしている場合が多いため、部品の隅々までお掃除するのは難しいかもしれません。洗浄液が届かないところには汚れやゴミが残ってしまうため、洗浄液が届かないところには汚れやごみが残ってしまうことがあります。
5. 意外と手間がかかる
エアコン洗浄スプレーは、お掃除したいところに向かって洗浄液を吹き付けるだけなので、簡単にお掃除できると思われがちです。また、水漏れや故障のリスクを避けるためにエアコン周囲を養生する必要もあるでしょう。
さらに、部品ごとに異なる種類のスプレーを使い分けながらお掃除するとかなりの手間がかかります。
エアコン内部のクリーニングはプロにご相談ください
エアコンの熱交換器やファンなど、エアコン内部のお掃除を行いたい場合は、自分で作業をせず、専門知識を持つプロの業者にクリーニングを依頼しましょう。プロの業者は、周囲をしっかりと養生の上、専用の洗浄剤や機材を用いて正しい手順で内部を洗浄してくれますので、お買い上げの販売店に相談することをオススメします。
三菱電機製のエアコンをお使いの場合、三菱電機修理受付センターでもご相談を承ることができます。
また、三菱電機では、一部地域を対象に、三菱電機製以外も含めた国内全メーカー対応のエアコンクリーニングサービスを提供しております(一部対象外機種あり)。メーカーとしてのエアコンに対する知見を基にスタッフを研修しており、専用の洗浄剤を用いて、エアコンを丁寧にお掃除します。Webで簡単にお申込みいただけますので、対応エリアをご確認の上、よろしければご利用ください。
エアコン内部の掃除にエアコン洗浄スプレーを使うのは控えよう
エアコン内部の熱交換器などを洗浄する場合、その洗浄方法や使用する洗浄剤の選定・取り扱い、事後処理にはしっかりとした専門知識が必要です。エアコン洗浄スプレーは、掃除のしにくい熱交換器などを手軽にお掃除するための商品ですが、エアコンの水漏れや故障、発煙・発火の原因となるおそれがあるため、エアコンメーカーとしては、洗浄スプレーの使用を推奨していません。安易に市販の洗浄スプレーなどでエアコンを掃除することはおやめください。
エアコン使用時にニオイが気になっている場合や、内部までお掃除したいという方は、必ず専門知識を持つ業者にお掃除を依頼してください。
また、近年のエアコンには、エアコン内部のカビの繁殖を軽減する機能やコーティングが搭載されている機種も多くありますので、お買い換えの際は清潔機能についても確認することをオススメします。
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この記事を書いた人
くらトク編集担当