エアコンの掃除に必要な道具について解説

エアコンには、前面パネルやフィルターなど、自分でお掃除できる部分と、本体内部のようにプロに任せるべき部分があります。自分でお掃除できる範囲であれば、掃除機とやわらかい布、中性洗剤のように自宅にある道具でも十分キレイにすることが可能です。
本記事では、エアコンの種類と、自分でできる範囲のエアコン掃除に必要な道具、エアコンの部分別のお掃除方法の他、内部のお掃除はプロに任せるべき理由もご紹介します。
目次
エアコンの種類について部分別に解説!エアコン掃除にあると便利な道具種類別に解説!掃除道具を使った掃除手順エアコン内部の掃除はプロに任せるべき理由まとめ:エアコンのカバーやフィルターは自分で掃除!内部はプロに任せようエアコンの種類について
ひと口にエアコンといっても、壁掛形から天井埋込形までさまざまなタイプがあります。それぞれ、どのタイプに該当するかを確認してからお掃除の準備を進めましょう。
壁掛けエアコン
壁掛けエアコンは、家庭で使われる一般的なタイプのエアコンです。室内機と室外機がそれぞれ一つずつセットになっており、横長の室内機を壁に設置して使用します。種類が豊富で、各メーカーからさまざまなタイプが販売されており、冷房だけでなく暖房機能に優れた製品もあるため、年間を通して使用可能です。なお、設置には配管や配線の工事が必要であり、室外機を設置する場所も確保しなければなりません。
窓用エアコン
窓用エアコン(縦型エアコン)とは、本体と室外機が一体化しており、窓枠に取り付けて使える縦に長いタイプのエアコンです。壁掛形エアコンとは異なり、配管や配線の工事が不要なため自力での設置が可能です。また、壁に穴を開ける必要がないので賃貸物件でも利用しやすいです。本体価格も手頃で、初期費用を抑えてエアコンを導入できます。
デメリットとしては、壁掛形エアコンと比べて種類が少ないこと、広い部屋では冷暖房効果が低いこと、音が大きいことが挙げられます。また、エアコンの使用中は、窓に付属している鍵が使えなくなるため、防犯上の注意も必要です。
スポットエアコン
スポットエアコン(スポットクーラー)とは、底部分にキャスターが付いた、小型で移動できるタイプのエアコンです。工事や設置作業も不要なため、室内だけでなく、工場内やアウトドアなど、さまざまなシーンで利用できます。
なお、室外機はないので、本体から冷風と熱風の双方を排出します。そのため、排気用のダクトを付けて、外に熱風を逃がすタイプが多いです。また、あくまでもスポット利用を想定した製品であり、部屋全体を冷やす効果はありません。冷房・除湿・送風が基本機能とする製品が多いですが、暖房に対応したものもあります。
床置エアコン
床置エアコンは、暖房時に足元をしっかり温めることを想定して作られたタイプです。家庭用はカウンター下などに収納できるコンパクトなタイプ、業務用は縦長の大型で冷房時は上から、暖房時は下から送風するタイプが一般的です。室内機と室外機がセットのため配管や配線の工事が必要ではあるものの、足元に設置するだけなので取り付けも簡単にできます。
天井埋込形エアコン(天井カセット形エアコン)
天井埋込形エアコンとは、室内機を天井に埋め込むタイプのエアコンです。家庭用よりも業務用で主流な形状で、天井埋込形4方向・天井埋込形2方向・天井埋込形1方向など種類があります。大出力で広い空間の温度調整に適しているものの、設置工事に手間もコストもかかり、お掃除がしにくいなどのデメリットもあります。
部分別に解説!エアコン掃除にあると便利な道具
注意点として、エアコンは自分でお掃除できる部分と、プロでないと難しい部分に分かれます。また、自分でお掃除できる部分も方法も、種類によって異なります。そのため、まずは取扱説明書をよく読み、お掃除しましょう。
また、お掃除をするときはマスクとゴム手袋を着けましょう。ホコリや汚れから身を守るだけでなく、部品に触れてケガをするリスクも軽減できます。ここでは、エアコンの部分別に、エアコン掃除にあると便利な道具をご紹介します。
前面パネル
エアコンの外側を覆う前面パネルは、ホコリが溜まりやすい部分です。設置場所によっては油汚れも付着するため、汚れがひどいときは中性洗剤を用いて水拭きしましょう。年に1回程度のお掃除が目安です。
- ハンディモップ
- やわらかい布
- 中性洗剤
ハンディモップは柄を伸ばしたり、角度を変えられたりするものもあり、エアコンが高い位置にあるときに便利です。やわらかい布は汚れたら取り替えられるように何枚か用意しておきましょう。
フィルター
エアコンのフィルターは、以下のように自宅にある道具をそろえるだけでもキレイにお掃除できます。お掃除機能付きの機種は1年に1回、お掃除機能がない機種は2週間に1回のお手入れが目安です。
- 掃除機
- 新聞紙
- やわらかい布
- 中性洗剤
- スポンジ
- 綿棒
スポンジや綿棒などはフィルターの細かい部分のお掃除に役立ちます。
吹出し口・フラップ
エアコンの風の出口に当たる部分が吹出し口です。吹出し口に付いている横長の板がフラップです。この付近は、部屋の空気とエアコンから出てくる空気の温度差により結露が生じやすく、放っておくとカビが発生しやすいためシーズン中は1カ月に1度程度お掃除しましょう。
- 新聞紙
- やわらかい布
- 中性洗剤
奥までお掃除しようとすると、送風ファンを傷付けることがあります。難しい場合はプロに依頼しましょう。
室外機の周り
室外機は一般的に屋外への設置を想定して、雨・風にさらされることを前提に設計されているため、基本的にはお手入れは不要です。ただし、屋外で人目に付くこともあり、室外機の汚れが気になる方は、定期的に周りをお掃除しましょう。
- ほうき
- チリトリ
室外機周りの砂やホコリは、ほうきとチリトリで取り除くか、屋外用や車用の掃除機があれば、そちらを使っても構いません。 もし、室外機の内部までお掃除したい場合は、プロに依頼しましょう。
種類別に解説!掃除道具を使った掃除手順
エアコンは種類により、自分でお掃除できる範囲が異なります。道具を使ったエアコン掃除の手順を種類別に解説します。
なお、お掃除の前はエアコンの電源を切り、コンセントから電源プラグを抜くか、ブレーカーを切ってから始めてください。また、上方にあるエアコンのお掃除をするときは、転倒の危険があるため、不安定な足場に乗って作業をするのは避けましょう。
壁掛けエアコン
お掃除道具を使って、壁掛けエアコンをお掃除する簡単な手順は以下の通りです。それぞれ、解説します。
- やわらかい布で前面パネルを水拭き掃除
- 掃除機でフィルターのホコリを吸ってから水洗い
- やわらかい布で吹出し口・フラップの汚れを水拭き掃除
- ほうきとチリトリで室外機周りの掃除
1. やわらかい布で前面パネルを水拭き掃除
前面パネルは目立つホコリをハンディモップで取り除いてから、やわらかい布を水で軽く湿らせ、水拭き掃除しましょう。もし、カバーを外せるタイプのエアコンなら、外して水洗いしても構いません。汚れがひどいときは、中性洗剤を溶かしたぬるま湯をやわらかい布に含ませて、拭いてから水洗いしましょう。洗った後は、やわらかい布で水気を拭き取り、陰干しします。
2. 掃除機でフィルターのホコリを吸ってから水洗い
フィルターのお掃除をする前に、床にホコリが落ちないように新聞紙を敷いておくと便利です。目立つホコリは掃除機である程度吸い取ってからフィルターを外しましょう。外し方は取扱説明書を確認してください。
外した後は浴室でシャワーをかけて水洗いしましょう。汚れ落ちが悪いときは、中性洗剤を溶かしたぬるま湯に浸け、スポンジで軽く洗いましょう。細かい部分の汚れは綿棒を使うと取りやすいです。
最後に水でよくすすぎ、やわらかい布で水気を拭き取り、風通しの良い日陰で乾かします。なお、フィルターの種類によっては水洗いが禁止されているものもあります。
ダストボックスがあるタイプのエアコンなら、フィルターと一緒に外して水洗いし、陰干しします。
3. やわらかい布で吹出し口・フラップの汚れを水拭き掃除
吹出し口とフラップは、やわらかい布を使ってお掃除します。布をお湯に浸け、固く絞ってから目立つ部分のホコリや汚れを水拭きで取り除きましょう。汚れが落ちにくいときは、中性洗剤を溶かしたぬるま湯に布を浸して固く絞ったものを使っても構いません。送風ファンを傷付けないように慎重に作業しましょう。
4. ほうきとチリトリで室外機周りの掃除
室外機は、ほうきを使って、室外機カバーの砂埃や蜘蛛の巣を取り除きます。その後、湿らせた布でカバー部分を軽く水拭きすることで、表面の汚れをよりしっかり落とせます。室外機周りの落ち葉やチリを、ほうきとチリトリで集めればお掃除完了です。
窓用エアコン
室外機と一体型の窓用エアコンは、以下の2点を自分でお掃除できます。
- やわらかい布で本体を乾拭き掃除
- 掃除機でフィルターのホコリを吸ってから水洗い
本体部分はハンディモップでホコリを取ったり、やわらかい布で軽く乾拭きしたりしてお掃除します。このとき、固定ねじにゆるみがないかも確認しましょう。
※水拭きが可能な製品に関しては、水拭き掃除をしても良いでしょう。水拭きが可能な製品か否かは、機種の取扱説明書をご確認ください。
フィルターは事前に掃除機でホコリを吸ってから取り外して水洗いします。汚れがひどいときは中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗いましょう。最後に水でよくすすぎ、水気を拭き取ったら、陰干しして乾かします。
スポットエアコン
スポットエアコンも室外機がないため、本体やフィルターのお掃除が主となります。なお、タンクがあるタイプはタンクも定期的なお手入れが必要です。
お掃除の手順は以下のとおりです。
- やわらかい布で本体を水拭き掃除する
- 掃除機でフィルターのホコリを吸ってから水洗い
- タンクがあるタイプは中性洗剤を薄めたぬるま湯で洗う
まずは、固く絞ったやわらかい布で本体の周りの汚れを水拭きしましょう。次に、掃除機でフィルターのホコリを吸い取り、取り外して水や中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗います。よくすすいだら、陰干しします。
タンクがある製品なら、やわらかいスポンジで洗いましょう。汚れ落ちが悪いときは中性洗剤を少し含ませてから洗い、よくすすぎます。最後に、やわらかい布で水気を拭き取り、乾かします。
床置形エアコン
床置形エアコンは家庭用と業務用があり、家庭用は以下の3点をお掃除できます。
- やわらかい布で前面パネルを拭き掃除
- 掃除機でフィルターのホコリを吸ってから水洗い
- ほうきとチリトリで室外機周りのお掃除
やわらかい布を水に浸して固く絞り、前面パネルの汚れを水拭き掃除で取り除きます。その後、掃除機でフィルターのホコリを取り除き、本体からフィルターを取り外します。水か、中性洗剤を溶かしたぬるま湯でフィルターの汚れを洗い流し、洗剤が残らないようによくすすいでください。陰干しして完全に乾かしてから、本体に取り付けます。
なお、業務用も自分でできるお掃除は上記と同様ではあるものの、製品により異なるおそれがあるため取扱説明書を確認しましょう。
天井埋込形エアコン(天井カセット形エアコン)
業務用に多い天井埋込形エアコンも、自分でできるお掃除の範囲は、カバーの拭き掃除、フィルターのお掃除、室外機周りのお掃除となります。
- やわらかい布でカバーを水拭き
- 掃除機でフィルターのホコリを吸ってから水洗い
- ほうきとチリトリで室外機周りのお掃除
こちらも他の種類の掃除方法と同様に、やわらかい布で水拭きを行い、カバーの汚れを拭き取ります。掃除機でフィルターのホコリを取り除いたら、フィルターを取り外し、水か中性洗剤を溶かしたぬるま湯で汚れを落とします。洗剤が残らないようによくすすぎ、陰干しで完全に乾かしてから本体に取り付けてください。
なお、天井埋込形エアコンの場合、作業には脚立が必要になることもあるため、難しいときは無理せずプロに依頼しましょう。
エアコン内部の掃除はプロに任せるべき理由
エアコンは見えない内部にカビやホコリなどの汚れが蓄積しやすいものの、自分で分解してお掃除すると故障や事故の原因となります。そのため、内部のお掃除はプロに任せるのがオススメです。
例えば、エアコンの内部には精密機器があるので、誤った洗剤や洗浄方法で、自力でお掃除をすると、電気系統が故障しエアコン自体が使えなくなることがあります。
また、エアコンにスプレー類を直接吹きかけるのはおやめください。スプレーがかかった状態で電源を入れると、トラッキング現象(コンセントなどに溜まったホコリが空気中の湿気を吸収することで、漏電が起こり発火する現象)による火事が発生するおそれもあるため注意が必要です。
参考情報:お客様ご自身でのエアコン内部の洗浄はおやめください。 (mitsubishielectric.co.jp)
プロであればエアコン自体を分解し、高圧洗浄機で内部を丸洗いできるため、隅々までお掃除することができます。エアコン全体をビニールシートなどで覆い養生するため、部屋が汚れる心配もありません。またハウスクリーニング業者により異なるものの、壁掛形エアコンだけでなく、室外機や天井埋込形エアコンなどにも対応しています。
まとめ:エアコンのカバーやフィルターは自分で掃除!内部はプロに任せよう
エアコン掃除には道具を使って自分でできる部分と、プロでなければ難しい部分があります。自分で対処できるフィルターなどは、2週間に1回の頻度(お掃除機能付きの機種は1年に1回)でお掃除すれば、冷房効率を上げたり、ニオイを防止したりできます。
なお、内部の汚れが気になるときは自力で対処せず、ハウスクリーニングなどのプロにお掃除をお任せしましょう。プロであれば、エアコンを分解し高圧洗浄機でエアコンの隅々までお掃除できます。
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この記事を書いた人
くらトク編集担当