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「エアコンのガス漏れ」ってどんな状態のこと? 原因や対処方法をご紹介

「エアコンのガス漏れ」ってどんな状態のこと? 原因や対処方法をご紹介
エアコン|2022.02.22

エアコンが「冷房運転しても涼しくならない」「暖房運転しても暖かくならない」といった状態になっていたら、もしかするとガス漏れが起きているのかもしれません。
 
エアコン内部は冷媒ガスが封⼊されており、室内機と室外機の間で熱を移動させる役割を担っています。冷媒ガスは通常漏れることはありませんが、何らかの要因によって漏れ出してしまうと、見た目上は普通に動いているにもかかわらず、冷たい風や暖かい風が出て来なくなるのです。
 
本記事ではエアコンの冷媒ガス漏れについて、発生する原因や対処方法、セルフチェックの方法や修理をする際の費用の目安についてご紹介します。

「エアコンのガス漏れとは」

首をかしげるポーズ
エアコンは、冷媒ガスによって熱を室内機と室外機の間で移動させ、室内に適切な温度の風を出すことで室温をコントロールしています。
 
冷媒ガスとは、常温では気体で圧力を加えると液体に変化する物質のこと。冷蔵庫やエアコンなどの温度調節に関わる家電の多くは、冷媒ガスの気化熱や凝縮熱が利用されています。
 
エアコンの冷媒ガスは、内部の熱交換器や冷媒管の中に封入されています。冷媒ガスは本来ならば減少することはなく、気化と液化を繰り返して温度調節の役割を果たすものです。しかしながら稀に、冷媒ガスが何らかの理由で漏れ出し減少してしまうことがあります。

冷媒ガス漏れが起きるとどうなるの?

冷媒ガス漏れにより内部の冷媒ガスが少なくなると室内機と室外機の間で移動させられる熱の量が減り、部屋の温度をコントロールする能力が減っていきます。冷房や暖房が効きづらくなり、運転効率が下がるため電気代が通常よりも高くなる可能性があります。
 
また冷媒ガスが完全になくなってしまった場合はエアコンが動かなくなります。エアコンのメーカーや種類によって異なりますが、室内機ランプの点滅などで故障状態が表示されるものが多いです。

エアコンのガス漏れサイン

いつものようにエアコンを使用しても、以前より効きが悪いと感じる場合は、冷媒ガス漏れを疑いましょう。冷媒ガスが減少したことで温度調節の力が弱まっていると考えられます。

エアコンがガス漏れする原因

エアコンのガス漏れが発生する代表的な原因には、

  • エアコン取り付け時の工事不備
  • 室外機の移動や転倒
  • 内部部品の腐食

の3つがあります。
 
ひとつずつ見ていきましょう。

エアコン取り付け時の工事不備

エアコン
エアコンを取り付けた際に工事不備があると、冷媒ガス漏れが発生してしまう場合があります。正しく設置されていないことで無理な力が入って冷媒管が折れてしまったり、熱交換器に小さな穴が空いたりして、そこから冷媒ガスが漏れてしまうのです。接続不良で冷媒ガスが漏れることもあります。
 
工事不備はエアコン購入後に設置するタイミングの他、引越しなどによりエアコンを移動する際、エアコンを分解して洗浄した際などに発生します。不備があった場合に冷媒ガス漏れが起きるまでの期間は、おおむね工事を行った数日後~数年後です。
そのため取り付けからしばらく時間が経ってから、エアコンが不調になることもあります。

室外機の移動や転倒

設置済の室外機を無理に動かした場合、各部品をつなぐ部分の接続不良や部品の損傷が発生し、冷媒ガスが漏れることがあるので、お客様自身で室外機を移動させることはおやめください。冷媒管は経年変化で固くなるため、使用年数が長いエアコンほど注意が必要です。
 
同様の理由で、室外機が倒れてしまった場合もガス漏れの原因となり得ます。一般的には据え付け台などに固定しているため日常生活で倒れることはありませんが、地震などによって倒れてしまった場合は、冷媒ガスが漏れる場合がありますので、室外機には触らずお買い上げの販売店かメーカーの修理受付センターにご相談ください。

内部部品の腐食

室内機と室外機内部の熱交換器や配管、バルブ等が経年劣化により腐食することがあります。腐食した部品が接触不良を起こしたり、一部に穴が開いたりすることで、冷媒ガスが漏れてしまうのです。
 
排水用のドレンホースを直接下水道につなぐと、下水道のアンモニアなどがドレンホースを通って室内機に侵入し熱交換器などが腐食することがあります。ドレンホースは直接下水などに接続しないようにしてください。
 
また海の近くや温泉地は、腐食の原因となる塩分や温泉ガスが空気中に多く含まれるため、室外機のガス漏れが起こりやすい傾向があります。

ガス漏れが起きた場合の対処方法

接続不良によるガス漏れの場合は、発生箇所を修理して新たな冷媒ガスを補充すれば直ります。冷媒ガスを調節するバルブが壊れている場合や内部部品が腐食してしまっている場合は、取り換えが必要です。
 
いつものように使っていてもエアコンの効きが悪いと感じたら、メーカーの修理窓口へご相談ください。
万が一、室外機が倒れてしまった場合はご自身で起こさずにメーカーの修理窓口へ連絡しましょう。

ガス漏れのセルフチェック方法

ガス漏れのセルフチェック方法
エアコンのガス漏れの可能性がある場合、メーカーのサービスマンを呼ぶべきかどうか迷う場合は、まずはセルフチェックを行ってみてください。
 
ガス漏れのセルフチェック方法は、以下の通りです。

エアコンを通る空気の温度差をチェックする

室内機が吸い込む空気の温度と、吐き出す温度の差が正常かを確認します。
確認できる箇所は以下の通りです。

  • 吸い込む空気…室内機の上部にある吸込み口
  • 吐き出す空気…室内機の下部にある吹出し口

この部分の温度を測って明らかに差が少ない場合は、問題が発生しています。エアコンのパワーを強めた状態でそれぞれの箇所へ順に手を近づけてみて、温度差を感じなければ、冷媒ガスをコントロールするコンプレッサーが機能していないかガス漏れが起きている可能性が高いです。
 
もちろん温度計を使用して計ることも可能です。ホームセンターなどで販売している2か所を同時に測ることができる温度計や、家庭用の非接触タイプの温度計を使用して計ってください。

エアコンのガス漏れ修理費用の目安

ガス漏れの基本的な修理方法は、冷媒ガスが漏れている箇所を修理して、減ってしまった冷媒ガスを補充するという流れです。漏れ出た箇所や程度によっては、内部部品や室外機の交換が必要な場合もあります。
 
そのため業者によるガス漏れの修理費用は、ケースごとに金額が大きく異なります。
 
一般的にはガス漏れが起きている箇所の特定と、その箇所の修理費用として数万円が必要です。エアコンの冷媒ガスを補充、もしくは一度冷媒ガスを完全に抜き取ってから再補充するケースでは、修理費用にプラスで数万円程度が必要となります。

買い替えを検討した方が良いケースも

ガス漏れの状態によっては、買い替えたほうがよい場合もあります。
 
エアコンの耐用年数の目安は10年です。熱交換器の冷媒配管の穴あきや腐食による劣化が起きるのは、この年数を超えている場合や、スプレー類を直接エアコンに吹きかけたことで、高濃度の成分が付着して腐⾷を引き起こした場合があります。
 
取り換える部品や室外機を取り寄せるには費用がかさむため、別途新品のエアコンを一式購入するのと同じぐらいの金額になってしまうことも多いです。その場合は新しいエアコンへの買い替えを検討しましょう。

ガス漏れの予防方法

耐用年数を超えた経年劣化によるガス漏れは、予防が難しいものです。ただしそれ以外の理由で起きるガス漏れは、予防できたり、発生を避けられたりする可能性があります。
 
空気中の塩分による腐食を防ぐためには、エアコンを購入する際に耐塩害仕様のものを選ぶと良いでしょう。メーカーや種類にもよりますがサビや腐食に強い部品、ネジ、ボルトを使用しているので、ガス漏れが起きる可能性を抑えられるはずです。
 
例えば自分でエアコンのフィルター掃除を行う際、フィンの部分自体は、怪我が無いように保護具を付けたうえで、掃除機などで吸ってお掃除することは可能です(メーカーとして保証していない洗浄スプレーなどの使用はおやめください。)が、室内機の奥にある内部部品は、細かい部品が集まる箇所です。
 
無理にお掃除してしまうと冷媒管の接続部分を傷つけてしまい、そこからガス漏れが発生する可能性がありますのでプロによるクリーニングがおすすめです。

まとめ:エアコンの効きが悪い場合はセルフチェックでガス漏れの確認を

エアコンのガス漏れが起き始めると、冷房や暖房が効きづらくなります。即座に「エアコンが使えない」という状態ではありませんが、電気代が高くなっていく上、いずれは冷媒ガスがなくなってエアコンが動かなくなってしまうはずです。
 
いつもよりエアコンの効きが悪いなと思ったらセルフチェックを行い、ガス漏れが疑われる場合はお買い上げの販売店か、メーカーの修理依頼窓口にご相談ください。耐用年数を越えているのであれば買い替えもご検討ください。
 
本記事を参考にしながら早めの対応を行うようにしましょう。

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くらトク編集担当

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