汚れをキレイに!フローリングの正しい掃除方法について解説
フローリングの床はリビングやダイニングなどに多用されていますが、素足で歩き回るところなので汚れが付きやすい場所とされています。特に油汚れや黒ずみは落ちにくいので、お掃除のコツを掴んでお手入れしましょう。
本記事ではフローリングが汚れる原因や、お手入れに必要な道具、お掃除の手順や頻度について解説します。お掃除の方法を汚れの種類別に解説している他、フローリング掃除の注意点についてもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
フローリングが汚れる原因フローリングのお手入れの道具フローリング掃除の手順フローリング掃除の頻度フローリングの種類と掃除する際の頻度汚れの種類別、掃除の方法フローリング掃除での注意点フローリングは思った以上に汚れやすい! 小まめに掃除してキレイな状態をキープしようフローリングが汚れる原因
フローリングが汚れる原因はさまざまです。原因によって汚れの対処法が異なる場合もあるため、自宅のフローリングの汚れの原因を確めてから、最適な方法でお掃除しましょう。ここではフローリングが汚れる主な原因を9つご紹介します。
1. 皮脂汚れ
フローリングの床を素足で歩いたり、素手で触れたりすると、人間の皮膚から分泌される皮脂が付着します。皮脂自体は無色透明ですが、油分が含まれているため、皮脂が付着した部分にホコリやゴミがくっつくと皮脂汚れになってしまいます。
また皮脂は空気に触れて酸化すると褐色になり、黒ずみ汚れの原因となります。酸化した汚れは普通の皮脂汚れよりも落としにくくなるので要注意です。
2. ホコリやゴミ
衣類やファブリックなどから出たゴミや、屋外から持ち込まれたゴミ、砂などもフローリングが汚れる原因の一つです。目に見えないほどの小さなホコリやゴミは、空気の流れで部屋の隅に追いやられ、固まって大きな綿埃になることがあります。
また、外から持ち込まれた砂は小さくても硬いので、人間の足に踏まれるとフローリングを傷付ける原因にもなります。
3. 毛
人間の髪の毛やペットの毛は、1日の間で何本も抜けてフローリングの床に散らばります。髪の毛は周囲にあるホコリやゴミを巻き込みやすいため、放っておくといつの間にか大きなゴミの塊になっていることもあります。
また、髪の毛の根元には皮脂が付着していることがあり、皮脂汚れがフローリングに付く原因にもなるので、毎日の小まめなお掃除が大切です。
4. 衣類の繊維
衣類は繊維を編み込んで作られているため、摩擦や引っかかりが起こると繊維が床に落ちることがあります。繊維は種類によっては静電気が発生しやすく、他のゴミやホコリ、毛などを引き寄せてまとまった汚れになってしまうのが厄介な点です。
また素肌の上から着用するインナーウェアの場合は、皮脂が付いていることもあり、皮脂汚れの基となる可能性も考えられます。
5. 食べカス
食べこぼしたものをすぐ取り除かずに放っておくと、空気に触れて酸化し、黒ずみ汚れとなります。また、水分や油分を多く含む食べカスの場合、フローリングの床に染み込んで変色させることもあります。
6. 油汚れ
キッチンまわりのフローリングの床は、料理の最中に飛び散った油で汚れやすい傾向にあります。油汚れは空気に触れるとすぐに酸化し、黒ずみの原因になる他、床のワックスを変色させることもあります。
また、油汚れは粘性が強く、ゴミやホコリを巻き込むと頑固な汚れになるので注意が必要です。
7. ヤニ汚れ
タバコの煙にはタールと呼ばれる植物樹脂が含まれています。タールは粘性が高く、床や壁などの建材に付着し、酸化すると黄ばみを帯びるようになります。
タールは放っておくとどんどん堆積し、汚れも落ちにくくなってくるため、早めの対処が必要です。
8. カビ
フローリングはタイルなどに比べると防水性が低く、水や飲み物などをこぼしたまま放置すると、水を吸い込んでしまいます。そのまま放っておくと多湿の影響で、黒カビが発生する可能性があります。
黒カビは水拭きだけで落とすことはできないため、一工夫加えたお手入れが必要です。
9. 水シミ
前述のとおり、フローリングは意外と水に弱いため、液体をこぼしたまま放置すると床が変色し、シミができることがあります。一度変色すると元に戻すのは難しいため、液体をこぼしたら迅速な対処が必要です。
フローリングのお手入れの道具
フローリングをお手入れするために必要な道具は、主に5つあります。
1. 掃除機
掃除機はフローリングの上にあるホコリやゴミ、砂などを除去するために必要なアイテムです。普通のゴミなら掃除機だけで吸い取れるので、毎日のお手入れに欠かせません。水拭きしたりワックスをかけたりする場合も、最初に掃除機でゴミやホコリ、砂などを取り除く必要があります。
ただし、家庭用掃除機は大量の砂を吸い込むと故障の原因となるため、砂が目立つ場合は事前に取り除いてからご使用ください。
広い部分は普通のヘッドで十分ですが、壁と床の境目や部屋の隅、家具との隙間などのお掃除には細口ノズルがあると便利です。
2. 雑巾
雑巾はフローリングの床を水拭きしたり、頑固な汚れを拭き取ったりするときに使用するアイテムです。フローリング材は意外とデリケートなので、使用する雑巾は目が細かく、柔らかいものを使用しましょう。水拭きの後はから拭きをする必要があるため、雑巾は最低でも2枚は用意しておきましょう。
広範囲をお掃除する際は3枚以上の雑巾を用意しておくと安心です。
3. フローリングワイパー
フローリングワイパーは、立ったままの状態でフローリングを拭き掃除できるので便利です。ホコリやチリなどの細かいゴミを取り除くときに役立ちます。
フローリングワイパーには、ドライシートやウェットシートを挟み込むタイプと、雑巾やクロスなどを装着するタイプの2種類に区分され、用途や目的に応じて使い分けることができます。
4. 隙間用ブラシ
家具と家具の間など、掃除機やフローリングワイパーが入らない場所をお掃除する際に活躍する道具です。柄の長いタイプを使用すれば、奥行きがある場所でもしっかりお掃除することができます。
5. 中性洗剤
掃除機やフローリングワイパーで落とせない汚れは、中性洗剤を使用してお掃除します。中性洗剤にはいろいろな種類がありますが、フローリング用や住居用のものを使用するのがオススメです。
フローリング掃除の手順
フローリングをお掃除する際の基本的な手順をご紹介します。
1.フローリングワイパーや隙間ブラシでゴミを取り除く
まず、フローリングワイパーを使ってホコリやゴミなどを取り除きます。最初から掃除機を使ってしまうと、排気でホコリやチリが宙に舞い上がってしまい、ゴミがあちこちに散乱してしまうおそれがあります。
フローリングワイパーは自分の方へゴミを集めるイメージで、遠くから近くへワイパーを動かすのがコツです。シートにゴミやホコリが多く付着していくと吸着力が低下するので、ある程度汚れたら、その都度シートを新しいものに交換しましょう。
フローリングワイパーが入らない狭い場所は隙間ブラシを使って汚れをかき出します。奥から手前に向かってブラシを動かすと、汚れを効率よく取り除けるでしょう。
2.掃除機をかける
フローリングワイパーで細かなゴミを除去したら、掃除機をかけます。フローリングの床の溝に沿うように、ゆっくりとかけていくのがポイントです。溝に対して垂直にかけると、溝に詰まった汚れを吸い込みにくくなるので注意しましょう。
掃除機のヘッド部分は床にしっかり密着させないと吸引力が低下します。ヘッド部分が体から離れすぎると密着度が低下するので、ヘッド部分と自分の距離は身長の半分程度にとどめておくと良いでしょう。
壁と床の境目をお掃除する際は細口のノズルに切り替え、先端を境目にぴたりと合わせてお掃除します。
また、掃除機は押したときにゴミを掻き出し、引くときに掻き出したごみを吸うため、押すだけでなく引くことも意識するといいでしょう。
3.雑巾で水拭きする
掃除機をかけ終えたら、水を含ませて固く絞った雑巾で水拭きしていきます。部屋の奥から手前(出入口)に向けて、後ろに下がりながら水拭きしていくと、拭いた場所を踏まずにお掃除することができます。
また、雑巾はコの字を描くように拭いていくのがコツです。左端から右端まで動かし、雑巾一枚分だけ下にずらしてから、右端から左端まで拭くという作業を繰り返していくと、ムラなく水拭きできます。
ベタつきや頑固な汚れが付いている部分は、中性洗剤を使って水拭きしましょう。フローリング用や住居用の中性洗剤はそのまま使用して構いませんが、台所用の中性洗剤を使う場合は、水を張ったバケツに適量の中性洗剤を溶かし、雑巾を浸して固く絞ったものを使用しましょう。
4.乾いた雑巾でから拭きする
最後に、乾いた雑巾を使って、水拭きと同じ要領でから拭きしていきます。フローリングに水分が残らないよう、丁寧に雑巾がけしていきましょう。
5.ワックスをかける
無垢フローリングの場合、定期的に再塗装またはワックスがけを行う必要があります。お掃除を終えたら、フローリング専用のワックスをフローリングワイパーのシートに適量含ませ、板目に沿って一定方向に塗っていきます。
ワイパーを前後に動かしたりするとムラが出たり、仕上がりが悪くなってしまったりするので気を付けましょう。
また、ワックスの使用量は少ないかな?と思うくらいが適量です。一度に多くワックスを含ませると、その分、乾燥に時間がかかり、ムラが出る原因となります。ワックスがかすれてきたら再び少量をシートに含ませる、という作業を繰り返して、薄くワックスをかけていくのがポイントです。
ワックスをかけたら、そのまましばらく放置して乾かしましょう。ワックスが乾かないうちに床を歩いてしまうと跡が付き、仕上がりが悪くなってしまうので、完全に乾くまでは部屋の中に入らないことが大切です。
フローリング掃除の頻度
フローリングをキレイに保つためには、1~2日に1度を目安にフローリングワイパーや掃除機をかけるのが理想です。上記に加え、月に1~3度程度を目安にウェットシートや雑巾による水拭きを行いましょう。
日頃のお手入れならウェットシートを付けたフローリングワイパーでも十分ですが、ベタつきや頑固な汚れは雑巾を使わないとキレイに取れないおそれがあるので、汚れが気になる場合は雑巾による水拭きがオススメです。
なお、無垢フローリングの場合は、定期的なお掃除に加え、年に1度程度を目安に再塗装やワックスがけが必要になります。再塗装やワックスがけの際は事前にホコリやゴミを取り除いておく必要があるので、お掃除とセットで行うと良いでしょう。
フローリングの種類と掃除する際の頻度
フローリングの種類は大きく分けて合板と無垢材の2つに区分されます。それぞれの特徴とお掃除する頻度について説明します。
合板フローリング
合板とは、原木を薄く剥いたものを乾燥させ、接着剤で複数枚貼り合わせたものです。木目が交差するように貼り合わせるので、断面が縞模様に見えるのが特徴です。
合板フローリングは、合板の表面に化粧材を貼り合わせることから、複合フローリングとも呼ばれています。
合板フローリングは膨張や伸縮が少ないこと、温度や湿度の影響を受けにくいところが特徴で、割れやねじれ、反りなどのリスクが少なく、傷に強い点がメリットと言われています。
合板フローリングのお掃除の頻度は、掃除機やフローリングワイパーによるから拭きは1~2日に1度、水拭きは1カ月に1~3度が目安です。
無垢フローリング
無垢材とは、天然木を100%使用した木材のことです。フローリングの場合、パイン材やヒノキ材、スギ材、オーク材などが用いられ、自然塗料で仕上げられています。
天然目特有のぬくもりと香りが強い他、年数が経つと風合いが徐々に変化し、当初とは異なる印象になるのも大きな特徴です。
ただし、合板フローリングに比べると柔らかくデリケートな性質をしているため、傷や割れ、ねじれ、反りが起こりやすい傾向にあります。
また、使用している無垢材やコーティングの種類によっては水拭き不可の場合もあるので、お掃除前にしっかり確認しておきましょう。お掃除の頻度は合板フローリングと同じですが、無垢材の場合は年に1度ほど再塗装やワックスがけを行うと良いでしょう。
汚れの種類別、掃除の方法
フローリングに付いた汚れを効率的に落とすには、それぞれの汚れの種類に適したお掃除を行うことが大切です。ここではフローリングの汚れの種類別に、最適なお掃除方法をご紹介します。
皮脂汚れや油汚れの掃除方法
皮脂汚れは水拭きである程度落とすことが可能ですが、時間が経過して黒ずみ汚れになった場合や、頑固な油汚れは中性洗剤を使用してお掃除します。
目の粗い雑巾でこすり洗いするとフローリングが傷つくおそれがあるので、頑固な汚れをお掃除する際は柔らかいスポンジに中性洗剤を含ませてお掃除するのがオススメです。
食べこぼしの掃除方法
食べこぼしは、ウェットティッシュなどですぐに取り除けばベタついたり、こびりついたりする心配はありません。時間が経って汚れがこびりついた場合は、中性洗剤を含ませた雑巾やスポンジなどを使うと汚れを落としやすくなります。
ペットの糞尿の掃除方法
ペットの糞尿は、時間が経過すると汚れだけでなく、ニオイもこびりつきやすくなります。糞尿汚れを見つけたら新聞紙などで取り除いた後、雑巾で水拭きします。尿汚れの場合、フローリングに水分が残りやすいので、仕上げのから拭きをしっかり行いましょう。
フローリング掃除での注意点
フローリング掃除をする際に気を付けたいポイントを2つご紹介します。
換気は掃除機をかけてから行う
換気のために窓を開けるのは、掃除機をかけ終わってからにしましょう。窓を開けるとホコリが床から舞い上がってしまい、掃除機で効率よく吸い取れなくなります。またエアコンや扇風機なども同様に、ホコリを舞い上がらせるため、止めておくのが理想です。
ただし猛暑の日などは無理をせず、エアコンをつけながら掃除機をかけてください。
水気を残さない
フローリングは基本的に水に弱いので、水拭きをする際は雑巾を固く絞ることを心掛けましょう。また水拭きの後はから拭きを行い、しっかり乾燥させることが大切です。
フローリングは思った以上に汚れやすい! 小まめに掃除してキレイな状態をキープしよう
フローリングの床は、皮脂汚れやホコリ、毛、食べカスなど、いろいろな汚れが付着しやすい場所です。短期間でもお掃除を怠ると、あっという間に汚れがたまってしまうので、小まめなお掃除が大切です。
普段のお手入れはフローリングワイパーや掃除機だけで十分ですが、月に1~3度は雑巾による水拭きを行うと、ベタつきや黒ずみの予防になります。
なお、水拭きの際はフローリングに水気を残さないことが大切です。水分が残っているとフローリング材が傷む原因になるので注意しましょう。
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この記事を書いた人
くらトク編集担当