除湿機の効果的な使い方や置き場所を解説
除湿機を使っていても湿気が気になる場合は、使い方を見直してみましょう。
除湿機の使い方には、目的によって
・部屋全体の湿度が気になるときは部屋の中央に置く
・洗濯物を乾かすときは狭い部屋で使い、衣類に送風が当たるようにする
などのポイントがあります。
本記事では、洗濯物を早く乾かす除湿機の使い方や置き方、除湿機の種類、選び方、お手入れの方法をご紹介します。
目次
除湿機は空気中の湿気を除去する家電除湿機の種類を解説他にも知っておきたい除湿機の効果的な使い方【目的別】除湿機の効果的な置き方除湿機は部屋干しにも使える洗濯物を早く乾かす効果的な除湿機の使い方除湿機を使用し室内が暑く感じた場合の3つの対処法除湿機の選び方除湿能力で選ぶ除湿機のお手入れ方法まとめ:除湿機を効果的に使ってカラッと快適に過ごそう除湿機は空気中の湿気を除去する家電
除湿機とは空気中の水分を取り除く機能を備えた家電のことです。
除湿機は室内の湿度を下げることを目的として使用します。
室内の湿度を下げることでカビや結露を防止したり、湿気による不快感を減らせます。
衣類乾燥除湿機との違いは?
衣類乾燥除湿機と除湿機は、どちらも湿気を取り除く家電であることに変わりはありません。衣類乾燥除湿機は、部屋干しした衣類を早く乾かす性能に特化した除湿機です。
送風機能のみのものが一般的ですが、以下のようなさまざまな機能を備えた種類も登場しています。
- センサーを搭載し衣類の乾き残りをみつけ重点的に乾かす
- 洗濯物の位置や量、状態を見極めることで効率よく乾かし電気代を削減する
- 機種によっては少量衣類の短時間乾燥モードを搭載
- 広範囲の洗濯物に送風する
- 干し方に合わせて送風角度を変えられる
除湿機の種類を解説
家庭用除湿機の除湿方式は、コンプレッサー式とデシカント式(ゼオライト式)、両方の機能を備えたハイブリッド式の3つがあります。
ここではそれぞれの特徴をご紹介します。
1. コンプレッサー式
コンプレッサー式は空気中の水分を冷やし、結露させて除湿する仕組みです。
この仕組みはエアコンの除湿機能でも使用されています。
コンプレッサー式は除湿能力が高いため、特に梅雨の時期や夏場に効果を発揮します。
後述しますが、コンプレッサー式はデシカント式のようにヒーターを使いません。
そのためデシカント式よりも電気代がかからないメリットがあります。室温の上昇も2〜6℃程度に抑えられる点もメリットと言えるでしょう。
一方でデメリットは、冬の低温時では熱交換器に霜がつき、除湿効果を発揮しにくいことです。しかしコンプレッサー式でも霜取機能や低温時に風量をアップさせることで、冬でも使える機能を搭載したモデルもございます。
家電本体の重量が重くなることや、動作音が大きくなる点もあります。
キャスターやハンドル付きで静音設計のものを選べば、場所や時間を問わず使いやすくなります。
2. デシカント式(ゼオライト式)
デシカント式(ゼオライト式)は、除湿剤に湿気を帯びた空気を通し、水分を吸着させ除湿する仕組みのことです。
除湿剤は基本的にはゼオライトという材質を使用します。
除湿剤は水分を吸着できる量が限られており、継続的に除湿を行うにはデシカントから水分を取り除くことが必要です。
デシカント式の除湿剤はローター状(除湿ローター)になっており、これが回転することによりヒーターで温められます。温められた除湿剤からは水分が蒸発し水蒸気となります。
そして水蒸気は熱交換器へ送られ、結露してタンクに水分が溜まっていきます。この方式によって、乾いた空気を室内に放出させて、湿度を下げることが可能です。
気温の影響を受けにくいため、室温の低い冬場でもしっかり除湿できます。
また本体は軽く、運転音が小さい点もメリットです。
しかしヒーターを使う分、コンプレッサー式よりも電気代がかかります。
運転中に発する熱で3〜8℃ほど室温が上がってしまうデメリットもあり、梅雨時期や夏場の室内で使うのには適していないでしょう。
夏のあまり気温が高くない日や、冬場の湿度が気になる環境に適しています。
3. ハイブリッド式
ハイブリッド式はコンプレッサー式とデシカント式の両方の機能を備えた除湿機です。
夏場はコンプレッサー式、冬場はデシカント式というようにというように、季節により除湿方式を切り替えられます。
一年中安定して除湿できることがメリットです。
デメリットとしては、両方の機能を搭載しているため本体価格は高額になりがちな点があります。
なおコンプレッサーがある分本体は重く、運転方法により動作音は異なります。
他にも知っておきたい除湿機の効果的な使い方
除湿機は部屋の湿度を下げたり、洗濯物を乾かしたりするだけでなく、梅雨時期に発生するカビや部屋の嫌なニオイを防ぐ上でも役立ちます。
ここでは2つの使い方をご紹介します。
- 結露やカビを防止する使い方
- ニオイを防止する使い方
それぞれの効果的な使い方をみていきましょう。
結露やカビを防止する除湿機の使い方
梅雨時期の結露は水蒸気を含んだ空気が冷やされることで発生します。
また、黒カビは湿度70%以上、室温20〜40℃、栄養と酸素のある環境で繁殖速度が速くなります。
どちらも湿度が原因で発生するため、湿度が60%以下になるように除湿機を連続で運転させ、湿気を取り除きましょう。
なお、効果的な設置場所は後述します。
除湿機の機種によっては、ベッドやソファーの下、窓際など、湿気の溜まるエリアを自動で判別し、送風する機能があります。この機能がついたタイプなら、より効果的にカビや結露の防止が可能です。
ニオイを防止する除湿機の使い方
梅雨時期は水蒸気の影響で壁紙や布地などにニオイが吸収されやすくなってしまいます。
また、高温多湿になると雑菌やカビなどの活動も活発になるため、それらも嫌なニオイの原因になります。
除湿機は外部の空気が室内に入り込まないよう、窓を閉めてから使いましょう。
合わせて、乾いた空気はサーキュレーターで循環させ、部屋全体に行き渡るようにするとより効果的です。
なお、家が広い場合は、リビングに置くよりも、一部屋ずつドアをしめて除湿していく方が効果的です。
【目的別】除湿機の効果的な置き方
では、除湿機で除湿をおこなったり、カビの予防、ニオイの防止をするにはどういった設置方法が効果的なのでしょうか。
除湿機の設置方法を間違えると効果を十分に発揮できないこともあります。
ここでは、目的別に除湿機の効果的な設置方法を解説します。
部屋全体を除湿したいとき
除湿機には通気口と排気口があり、これらを塞いでしまうと効果を十分に発揮できないこともあります。
そのため寝室やリビングなど、部屋全体を除湿したいときは部屋の中央に設置すると効果的です。
もし、中央に置くと不便な場合は壁や窓などからある程度距離をとり、扇風機やサーキュレーターで空気を循環させましょう。
また、湿度は下の方に溜まりやすいため、除湿機は台の上などに置かずに、床に直接置くようにしてください。
靴箱など部分的に除湿したいとき
クローゼットや靴箱など湿気が気になる場所では、扉をあけて除湿機を近くに設置し、送風が入るようにしてください。
浴室を除湿したいとき
浴室に発生するカビも、除湿機を使って抑えることができます。
設置する際は除湿機を脱衣所に置いて、送風が浴室全体に行き渡るようにしましょう。
また浴室に窓がある場合は窓を閉め、換気はせずに使うと効果的です。
除湿機の機能で浴室カビガード機能などがあれば積極的に使いましょう。浴室カビガード機能で浴室内を除湿すれば、よりカビの発生を抑制できます。
なお、注意点として浴室のカビを抑えるときでも、除湿機は浴室内に置いてはいけません。
除湿機本体やコンセントが水に濡れると、漏電し火災につながったり、感電したりする恐れがあるため大変危険です。
除湿機は部屋干しにも使える
除湿機の効果的な使い方として、カビの予防とニオイを防止する使い方をご紹介しました。
ここからは3つ目の使い方として、部屋干しでの活用方法をご紹介していきます。
梅雨の時期や冬場の部屋干しは、乾きにくくニオイも気になるところです。
外干しと部屋干しでは、それぞれどういったメリットやデメリットがあるのか確認し、除湿機を活用した部屋干しの方法をみていきましょう。
外干しのメリット
外干しのメリットは、大量の洗濯物も日光と風の力でカラッと乾かせることです。
日光に含まれる紫外線には殺菌効果もあります。衣類のニオイや雑菌の繁殖を抑えることもできます。
外干しのデメリット
外干しのデメリットは季節や天候に左右されることです。
例えば梅雨の時期には長期間外干しできなかったり、風が強ければ吹き飛ばされたりする可能性があります。
天候以外では花粉や黄砂などのアレルギー物質が外干し中に衣類に付着してしまうことや、立地によって干す場所や干すものなどを配慮しなければならないデメリットがあるでしょう。
なお、夏場は衣類がカラッと乾く反面、紫外線で日焼けや色褪せがおきる可能性もあります。
部屋干しのメリット
部屋干しのメリットは天候に左右されないため、いつでも洗濯できます。紫外線によるダメージや花粉の付着を心配する必要もありません。
洗濯物を取り込む際も、靴を履き替えてベランダに出るなどの手間がかからない点もメリットです。
外に洗濯物がなければ盗まれる心配もなく、家族構成や在宅の有無などのプライバシーも守れるというメリットもあります。
部屋干しのデメリット
部屋干しのデメリットは部屋の干し方によっては雑菌が繁殖し嫌なニオイがついてしまう点です。
また、リビングなどの広い場所に干すと場所を取り見栄えも悪いです。かといって狭い室内ではいつまでも洗濯物が乾きません。
衣類乾燥除湿機ならこれらのデメリットを解消し、年中快適な部屋干しが可能になります。
洗濯物を早く乾かす効果的な除湿機の使い方
部屋干しのニオイは、衣類に残った汚れと雑菌が原因です。
乾くまでに時間がかかるほど雑菌が繁殖し、嫌なニオイが発生してしまいます。
そうならないためにも、清潔に洗いあげた洗濯物は衣類乾燥除湿機を使ってすぐに乾かすのがポイントです。
ここからは洗濯物が早く乾く除湿機の使い方を解説します。
1. 除湿機は狭い場所で使う
除湿機を使って部屋干しをするときは、比較的狭い浴室などで集中的に使った方が効果的です。
除湿機は除湿可能な面積が決められており、その面積より狭いスペースで使用した方が除湿能力は高くなります。
部屋のドアや窓は閉め切るのもポイントです。
なお排水ホースを付けられる除湿機なら、脱衣所で洗濯物を乾かして、排水はそのまま浴室に捨てられるのでオススメです。
2. 洗濯物は間隔を空けて干す
洗濯物が隣接していると、除湿機の送風が通らず乾くのに時間がかかってしまいます。
干すときは適度に間隔を空けるようにしてください。
洗濯物の量が多いときは、アーチ型に干すと風のとおりがよくなり早く乾きます。
タオルやズボンなど長さのあるものは両端に干し、シャツや靴下など丈の短いものは中央に配置するようにしましょう。
干す場所が確保できない場合は2段タイプのスタンドや突っ張り棒などを活用すると便利です。
3. 除湿機は洗濯物に風が当たるように設置する
除湿機は送風が洗濯物に当たるように設置しましょう。
洗濯物が少ないときは除湿機を真下に設置し送風を上に向けるようにします。
アーチ干しでは、アーチの中央に除湿機を設置し、横から風を当てるようにしましょう。
なお、洗濯物の位置や量、状態を感知するセンサーを備えた衣類乾燥除湿機なら、乾き残りを検知し効果的に送風します。
4. 厚手の衣類は除湿機の正面に干す
厚手で乾きづらい衣類があるときは、除湿機の正面に干しましょう。
除湿機の風は上下・左右に送風されるため、正面に設置すれば風が当たりやすくなるためです。
衣類の濡れた部分を自動で検知する衣類乾燥除湿機なら、ピンポイントで集中乾燥するためフード部分が乾かないなどの悩みも解決できます。
除湿機を使用し室内が暑く感じた場合の3つの対処法
除湿機は若干発熱するため、除湿方式により差はあるものの、どうしても室温が上がってしまいます。
ここでは、除湿機を使って室内が暑くなるときの対処法を解説します。
1. エアコンと併用する
リビングなど、人の多い場所で除湿機を使うときはエアコンと併用しましょう。
両方同時に使っても問題ありませんが、除湿機の送風がエアコンの風に当たらない位置に置いてください。
梅雨時期など気温はまだそれほど高くないものの、湿度が高く不快感が強いときは、除湿機とエアコンの除湿機能を併用するのも効果的です。
2. 利用する時間帯を変える
人の居ない時間帯に除湿機を稼働するのも方法の一つです。
日中はリビングや寝室を除湿し、夜間は浴室で洗濯物を乾かすなど使い分ければ、湿度は下げつつ、人のいる部屋の温度上昇を防止できます。
3. 新しい除湿機に買い替える
先述のとおり、除湿機はコンプレッサー方式の方が温度上昇を抑えられ、デシカント(ゼオライト)方式の方が室温は高くなります。そのため現在使っているものがデシカント(ゼオライト)方式なら、コンプレッサー方式の除湿機に買い替えるのも一つの方法です。
なお、除湿機の耐用年数は5〜10年程度です。
古い機種を使っているなら新しいものに買い替えた方が、除湿性能も上がっているため、室温の上昇を抑えられる可能性もあります。
除湿機の選び方
除湿機を選ぶときは価格や除湿方式だけでなく、1台でどの程度の範囲を除湿できるか、どのような機能があるかもチェックすると使いやすいものが見つかります。
実際に使用する部屋の広さと除湿できる量が合っていないと、期待どおりの効果を実感できないため注意しましょう。
除湿能力で選ぶ
製品情報などに除湿量や除湿面積の目安が書かれているため、購入前に確認してください。
また、建物の構造によっても必要となる除湿能力が異なります。
一般的に気密性の低い木造住宅の方が、鉄筋コンクリート建築の住宅よりも高い除湿能力が必要です。
機能で選ぶ
除湿機はメーカーや製品によりさまざまな機能があるので、利用する環境や方法に合わせて選びましょう。
除湿機全般と、衣類乾燥除湿機にも搭載されている代表的な機能を以下にご紹介します。
- 生乾きセンサー機能
赤外線・温度・湿度の3つのセンサーにより、衣類の生乾きを見逃さずに乾かします。
また、二段干しや左右干しも、センサーが自動で感知し、最適な方法でしっかり乾燥させることが可能です。
- 布団乾燥
布団乾燥センサーで布団の湿気を感知し乾燥させる機能です。汗の気になる時期でも清潔な状態を維持できます。
- 少量衣類乾燥
少量衣類を短時間で乾かせる機能です。高速ドライ風を送風し、体操着や上履きなどを洗い忘れても、当日の朝に洗って乾かすことも可能です。
- 夜干しモード(低騒音運転)
運転音を抑えるだけでなく、タンク満水時のアラームも鳴らないため就寝中も利用できます。
- 連続排水
ホースを本体につなぐことで、タンクの水を捨てる手間なく連続運転が可能です。
- 部屋、浴室乾燥
搭載されたセンサーが、室内の湿気が溜まりやすい場所や、浴室の水滴などを見逃さずしっかりドライ。カビの繁殖や結露を防止します。
- 内部クリーン機能
本体内部を乾燥させ、カビの増殖を防ぐ機能です。ボタン一つでスタートして1時間程度で運転が終了するため、手間なくキレイを保てます。
- フィルター
除湿機のフィルターにも、ウイルスや菌、アレル物質を取り除く機能があれば、より清潔に除湿や部屋干しができます。
除湿機のお手入れ方法
除湿機は毎回使用後に排水タンクの水を捨てて、水滴を拭き取ってから戻しましょう。
また、2週間に1度はフィルターを外して、ホコリを取り除き、汚れがあれば拭き取ります。
連続排水機能を使っているときは、2週間に1度、除湿機の点検を行いましょう。
除湿機のニオイが気になる場合
除湿機のニオイは、排水タンク内などにカビが増殖することで発生します。
また、フィルターのお掃除を怠るとカビが発生したり、焦げ臭いニオイがしたりするため忘れずにお掃除をしましょう。
排水タンクにぬめりがある場合は、スポンジに中性洗剤を付けて水洗いします。
フィルターは水洗いできるものは洗い、2年に1度は新しいものと交換するようにしてください。
除湿機の中を清潔に保つには、内部クリーン運転をしましょう。
1時間程度の運転で本体内部の乾燥ができ、カビの発生を抑制するため、気になるニオイの解消にも効果的です。
まとめ:除湿機を効果的に使ってカラッと快適に過ごそう
除湿機は空気中の過剰な湿気を取り除いて快適にしてくれるものの、使い方を間違えると期待どおりの効果を実感できません。
また、除湿方式により、夏場と冬場、どちらに適しているのかに違いもあります。
除湿機を選ぶときは価格に注目するだけでなく、どのような機能を備えているか確認すると、理想のものが見つかるでしょう。
-
この記事を書いた人
くらトク編集担当