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食費を節約するコツ! 食費の目安、買い物や調理の工夫まで紹介

食費を節約するコツ! 食費の目安、買い物や調理の工夫まで紹介
料理|2023.08.22

食費は生活費の多くの部分を占める支出です。例えば、総務省の2022年の調査をみると、総世帯の消費支出(生活費のこと)の約26.0%を食費が占めています。(※1)食費を節約すれば、家計の大きな助けになるでしょう。
 
本記事では、総務省が毎年公開する「家計調査」を参考にしながら、食費の目安や節約するコツ、買い物や調理の工夫を紹介します。

食費の平均金額はどれくらい

食費を節約する前に、まずは食費の目安を知ることが大切です。食費の平均的な金額を知りたい場合は、総務省が発表する「家計調査」が役に立ちます。この「家計調査」では、世帯別の消費支出の金額や内訳を公開しており、1カ月当たりの食費の目安を統計から知ることができます。
 

・消費支出
いわゆる生活費のことであり、日常の生活を営むに当たり必要な商品やサービスを購入して実際に支払った金額。
 
ここでは、総務省が2022年に発表した「家計調査」のデータより、総世帯、2人以上の世帯、単身世帯の食費の平均金額をご紹介します。

世帯別にみた食費の平均金額

まずは世帯別にみた消費支出の平均と、食料の購入に充てた金額(食費)を表にまとめました。(※1)(※3)(※4)

 

消費支出 食費 食費が占める割合
※小数点第2位を四捨五入
総世帯 244,231円 63,597円 26.0%
2人以上の世帯 290,865円 77,474円 26.6%
単身世帯 161,753円 39,069円 24.2%

 

総務省の「家計調査」をみる限り、総世帯の食費の平均金額は1カ月当たり約63,597円、消費支出に占める割合は約26.6%だとわかります。ただし、この消費支出は外食の費用や、酒類などの嗜好品を購入した費用も含む点に注意しましょう。
 
世帯別の消費支出から、外食と酒類の項目をのぞいた食費の金額は以下のとおりです。

消費支出 食費
※外食および酒類をのぞく
食費が占める割合
※小数点第2位を四捨五入
総世帯 244,231円 50,793円 20.8%
2人以上の世帯 290,865円 63,094円 21.7%
単身世帯 161,753円 29,047円 18.0%

 

外食やお酒の購入費用をのぞく純粋な食費の平均は、1カ月当たり約50,793円です。1人暮らしの人(単身世帯)の場合、1カ月当たりの食費は約29,047円、消費支出に占める割合は18.0%とさらに少なくなります。食費を節約したい人は、世帯別にみた食費の平均金額を1つの目安にしましょう。

2人以上の世帯の食費の内訳

次に2人以上の世帯の食費の内訳をみてみましょう。(※3)
 
食費の円グラフ
 

※「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 世帯人員別の表」をもとに作成
 
意外と食費に占める割合が大きいのが、惣菜やレトルト、冷凍食品などの「調理食品」の項目です。2人以上の世帯の場合、調理食品の購入費用は1カ月当たり約11,744円で、食費の約15.2%を占めています。
 
また、菓子類の購入費用は1カ月当たり約6,760円(約8.7%)、外食の費用は1カ月当たり約10,881円(約14.0%)と、こちらも無視できない金額となっています。食費をなかなか節約できない人は、コンビニや飲食店などの支出が多くないか見直してみましょう。

単身世帯の食費の内訳

単身世帯の食費の内訳は以下の表のとおりです。(※4)
 
食費の円グラフ
 
※「家計調査 家計収支編 単身世帯 男女・年齢階級別」の表をもとに作成
 
1人暮らしの場合、2人以上の世帯よりも調理食品と外食の割合が高くなっています。調理食品の購入費用は食費全体の19.3%、外食の費用も全体の20.1%です。調理食品を購入する機会や、外食をする機会を減らすだけでも効果的に食費を節約できます。
 
とくに34歳以下の年齢層の人の外食費用は13,488円(39.2%)と非常に高く、真っ先に節約したいポイントです。

食費を節約するコツ

ポイント

食費の平均金額を参考にしながら、少しずつ食費の節約に取り組みましょう。食費を節約するコツは4つあります。
 

  • 自炊の機会を増やす
  • 冷蔵庫の中身を定期的にチェックする
  • お金の出入りを毎週見直す
  • 1カ月の食費の目標額を決める

 
食費節約の基本は自炊の機会を増やすことです。冷蔵庫の中身を定期的にチェックし、同じ食材を購入しないように気をつけましょう。また、1カ月の食費の目標額を決めて、毎週のお金の出入りをチェックすれば、無駄遣いしないように食費をコントロールできます。

自炊の機会を増やす

総務省の「家計調査」のとおり、食費に占める割合で多いのが、外食にかかる費用や調理済み食費の購入費用です。(※1)(※3)(※4)

 

食費 外食 調理食品 外食の割合
※小数点第2位を四捨五入
調理食品の割合
※小数点第2位を四捨五入
総世帯 63,597円 9,781円 10,223円 15.4% 16.1%
2人以上の世帯 77,474円 10,881円 11,744円 14.0% 15.2%
単身世帯 39,069円 7,840円 7,536円 20.1% 19.3%

 

自炊の手間を惜しまず、外食や調理食品を利用する機会を減らすだけでも、多くの食費を節約できます。ただし、仕事や育児、介護などで忙しく、なかなか自炊ができない人も少なくありません。
 
極端に外食や調理食品の利用を減らすのではなく、無理のない範囲で自炊をする機会を増やしましょう。

冷蔵庫の中身を定期的にチェックする

無駄な出費が増えてしまう原因のひとつが、冷蔵庫に食材があるのに同じものを買ってしまうケースです。重複買いを防ぐため、冷蔵庫の中身をこまめにチェックする癖をつけましょう。
 
とくに食材の買いだめをする習慣のある人は、うっかり重複買いをすると食材を使い切れず、食品ロスが発生してしまいます。買い物前に冷蔵庫をチェックして、買い物に必要なものをメモしておくなどすると重複買いを防ぐのに効果的です。

1カ月の食費の目標額を決める

そもそも毎月どれだけの食費を使っているのかがわからない場合、節約すべき金額がわかりません。
 
まずは1カ月の食費を把握し、目標額と比べてどのくらい節約できたかを振り返る習慣をつけましょう。1カ月の食費の目標額を決める場合、エンゲル係数と呼ばれる指標を1つの目標としましょう。(※2)

  • エンゲル係数

消費支出に占める食料費(用途分類による)の割合。
 
総務省の「家計調査」をみると、エンゲル係数はおおむね25%前後の割合で推移しています。エンゲル係数の計算式は以下のとおりです。

  • エンゲル係数(%)=(食料費÷消費支出)×100

たとえば、毎月の生活費が10万円で、食費にかかるお金が3万円の場合、エンゲル係数は(3万円÷10万円)×100=30%です。この場合、生活費の約5%(5,000円)が節約する目標の金額になります。
 
ただし、無理な節約は長続きしません。食費の節約がなかなかうまくいかない人は、外食や酒類にかかる費用はひとまず別会計で勘定し、純粋な食材費の節約からはじめてみましょう。

お金の出入りを毎週見直す

お金の出入りを週単位で見直すことも大切です。毎週どれくらいのお金を食費に使ったか、無駄な出費をしていないかをチェックすることで、食費をコントロールしやすくなります。
 
お金の出入りを把握するときに役立つのが家計簿アプリです。家計簿アプリがあれば、生活費の金額や内訳をスマートフォンなどのモバイル端末で細かく管理できます。アプリによっては、レシートや領収書の写真を読み取り、自動で金額を入力してくれるものもあります。
 
また、食費の支払いを現金からキャッシュレス決済に切り替える方法もオススメです。クレジットカードやQRコード決済などのキャッシュレス決済なら、食料品の購入履歴がデータで残るため、毎週のお金の出入りを把握しやすくなります。

食費を節約するポイント

食費を節約するコツ
もっと食費を節約したい人は、買い物の方法や調理方法を見直しましょう。

 

節約ポイント
買い物
  • 事前に買い物リストを作成する
  • 長持ちする食材は安いときにまとめ買いする
  • 食費専用の財布を用意する
調理
  • 「節約食材」を中心に献立を考える
  • 保存がきかない生野菜は作り置きのおかずに

 

食費を節約するポイントを5つ解説します。

買い物の方法を工夫する

買い物の仕方を少し変えるだけでも、食費を大幅に節約できます。食費の金額にお悩みの人は、3つの買い物習慣を取り入れてみましょう。

事前に買い物リストを作成する

 
買い物中の無駄遣いを避けるために効果的なのが、事前に買い物リストを作成するという工夫です。スーパーマーケットへ行くと、ついついセールや割引、安売りが目につき、余計なものを買ってしまいます。いくら安い食材とはいえ、必要のないものを買いすぎては食費の節約になりません。買い物リストにある食材しか購入しないというルールを設けることで、お金の使いすぎを予防できます。

長持ちする食材は安いときにまとめ買いする

 
食費節約の基本は「まとめ買い」です。特売やセールなど、値段が安いタイミングで食材をまとめ買いすれば、食費を大幅に節約できます。また、まとめ買いをすることでスーパーや食料品店へ行く機会そのものが減るため、無駄遣いをするリスクを軽減できるでしょう。
 
もちろん、必要のない食材や長持ちしない食材をまとめ買いしても、消費期限までに全部使い切れないと、逆に無駄な出費が増えかねません。まとめ買いすべき食材の条件は、冷凍できるものや長持ちするものです。肉類のように消費期限が短いと思われる食品でも、適切な方法で冷凍保存すれば十分に長持ちします。
 
たとえば、鶏肉の場合は約2週間、豚肉の場合は約2~3週間が冷凍保存の目安です。ただし、長期保存しすぎると食中毒の原因になったり、うまみ成分も含まれるドリップが流出したりする恐れがあります。お買い得な食材だからといって、買いすぎないように気をつけましょう。

食費専用の財布を用意する

 
食費を節約したいと思っても、ついつい無駄遣いしてしまったり、余計なものまで買ってしまったりするかもしれません。そんな人にオススメなのが、食費専用の財布を用意することです。食費専用の財布を用意するメリットは2つあります。

  • 財布を分けることで、食費節約の意識付けになる
  • 残金が見える化されるため、食費を管理しやすくなる
  •  
    食費専用の財布を持つことで節約意識が高まります。給料日に食費分のお金を財布に入れれば、それ以上の金額を無駄遣いする心配もありません。また、食費専用の財布によって、残金が見える化されます。毎月どのくらいお金が使えるかが視覚的にわかるため、よりお金を計画的に使う習慣が身につきやすくなるでしょう。無駄な買い物をしなくなるため、貯金がどんどん貯まる効果もあります。

    調理方法を工夫する

    料理風景

    食費を節約するには、食材の調理方法を見直すことも大切です。安くて長持ちする「節約食材」を活用したり、保存がきかない食材を作り置きのおかずにしたりすることで、月々の出費を抑えられます。食費節約につながる調理方法のポイントを2つ紹介します。
     

    • 「節約食材」を中心に献立を考える
    • 保存がきかない生野菜は作り置きのおかずに

    「節約食材」を中心に献立を考える

     
    値段が安く、保存期間が長い食材を「節約食材(経済的で、コストパフォーマンスが高い食材)」と呼びます。自炊をする場合は、節約食材を中心に献立を組み立てましょう。節約食材には、たとえば次のようなものがあります。
     

    • 鶏むね肉
    • 豚こま肉
    • キャベツ
    • ニンジン
    • タマネギ
    • ジャガイモ
    • もやし
    • きのこ類
    • 豆腐

     
    節約食材はボリュームたっぷりの食材が多く、食事の際の満足度が高いのもポイントです。自炊する際に節約食材を積極的に活用することで、食費の節約につながります。

    保存がきかない生野菜は作り置きのおかずに

     
    食材のなかでも、あまり保存がきかないのが生野菜です。自炊するために生野菜を購入したものの、すぐに傷んでしまったり、鮮度が落ちてしまったりした経験のある人は多いのではないでしょうか。
     
    保存がきかない生野菜は、「常備菜」として作り置きのおかずに活用しましょう。生のままでは保存期間が短い野菜も、作り置きのおかずに調理すれば数日間保存でき、食品ロスを減らせます。作り置きのおかずを用意しておけば、時間がないときに一品増やしたり、お弁当に入れたりといざというときに大活躍です。食費をもっと節約したい人は、買い物の方法と調理方法を見直してみましょう。

    まとめ:お金の出入りを定期的に見直そう

    食費を節約するコツは、毎月の食費の目標金額を決め、お金の出入りを定期的に見直すことです。
     
    総務省の「家計調査」によると、食費のうち大きな割合を占める項目が、外食や調理食品に費やすお金です。無理のない範囲で自炊の機会を増やし、無駄な出費を抑えることが大切です。また、買い物や調理方法を工夫することでも、コツコツ食費を節約できます。
     
    本記事で紹介した節約術を参考に、できる範囲で食費の節約に取り組みましょう。
     

    ※1 出典:総務省.「家計調査 家計収支編 総世帯 詳細結果表 年次 2022年」
    ※2 出典:総務省統計局. 「家計調査 用語の解説」
    ※3 出典:総務省. 「家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 年次 2022年」
    ※4 出典:総務省. 「家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表 年次 2022年」

    くらトク編集担当

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